月夜、染まる欠片

宵月夜に、染まる欠片　

どうか永い夜よ明けないで

密やかな闇のなか

月明かりに消されたはずなのになぜ

朧げな森のなか

旅路進む君の目に映る奇跡

本当は視えない光　宙に放って

誰にも視えない模様　空に飾った

宵月夜に、染まる欠片　

どうか永い夜よ明けないで

月夜に、染まる欠片　

散らばって行方知れぬ想い

月夜に、染まる欠片　

眩さで誤魔化すおまじない

月夜に、染まる欠片　

焦がれても欲しい永遠の証

透き通る川のそば

綺麗な水求めただけなのになぜ

荒んでく岸のそば

季節外れ羽根の嵐呼ぶ数奇

本当は視えない温もり宙浮かべ

誰にも視えない色で空を埋めた

宵月夜に、染まる欠片　

どうか永い夜よ明けないで

月夜に、染まる欠片　

散らばって行方知れぬ想い

月夜に、染まる欠片　

眩さで誤魔化すおまじない

月夜に、染まる欠片　

焦がれても欲しい永遠の証

終わらないで　

夏も秋も　蛍火灯らなくなるまでは

愛して幻でも　一途に秘めた切ない想い

月夜に、染まる欠片　

混沌と眠らすおまじない

月夜に、染まる欠片　

幽かでも欲しい生きた証