Kotobako

aboutworks

メビウスの輪を走る

鞄から漏れだす夏みかんの匂い

発車ベルが響き渡る地下のホーム

飛び乗った列車が走るトンネルには

誰かの理想の景色が流れている


耳馴染みのある雑音が消えると

違う自分になることが許された


青い海が眩しくて

現実の私が映り込む余地のない

窓ガラスに 胸の糸が緩む それが

避難するように旅にでる理由なんだ


コンクリートを歩くときはいつも

黒い帽子で隠れてしまう狭い空に

引っ掻き傷のように残る飛行機雲

濡れない雨に降られる明日の乗客


ニューロンが波打つ真っ白な太陽は

飽きられないように光を変えていく


青い海が眩しくて

現実の私が映り込む余地のない

窓ガラスに 胸の糸が緩む それが

避難するように旅にでる理由なんだ


今度はどこへ行こう?

世界は遠くないよ いつでも創り出せる


表と裏が溶け合うメビウスの

輪の上を走り続けられたら 窓ガラスに

青が深い夜の海と映り込む私から

目を逸らしたりしない


飼い慣らそうとしてた退屈を

蹴り飛ばした先で風が吹き始める日常


旅の終わりに広がる朝の空


2019

vocalist: 冬乃桜×朱南レイ

arranger: MISTRAY

Imaginary Reverse -TABLETALK ROLE PLAY IN TOHO 17-天秤亭