夏祭りの帰り道 突然降り出してきた雨
お揃いの白い狐のお面おさえながら走る
どうか神様お願い
鼻緒が切れてしまうミラクル
あのトタン屋根のバス停まであと少し
転びそうになった私の手を掴んで
走り出した君の顔は見えない
どうか神様お願い
通り過ぎていかないスコール
錆びついてるベンチに二人
びしょ濡れで座る 藍の空から
金平糖が真っ直ぐに降るように
雨が降る町にいる君に
暗闇なんてあるの?
ポツン
抜け落ちそうな簪の先から滴る雨粒
髪に触れて挿し直してくれる
君の顔は見れない
真っ赤になった私
ひとり白いキツネへと変身
音楽でも聴こうよって 左にいる私の左耳へ
君は君の右耳へイヤホンいれるから近くて
どうか神様お願い
通り過ぎていかないスコール
愛しいスコール
時が止まるようなミラクルスコール
二人が同じ方を見るまで
バスの来ないベンチで二人
来ないバスを待つ 藍の空から
金平糖が真っ直ぐに降るように
雨が降る町にいる君に
暗闇あったとして
今ならば思いっきり飛び込んで
泳ぎ切る自信があるよ
そんな風に思えた時間
そろそろ通り過ぎてもいいよ
そしたら 架けてね 夜の虹
2020
vocalist: 冬乃桜
composer: Takahiro Eguchi